無意識に優しいのは美徳ではない - 魔王はかく語りき
こんにちは、如月翔也(@showya_kiss)です。
今日は、ちょっと苦しい話なのですが、「優しい事は良い事」という前置きを強調して、それでもなお「無意識に優しいのは美徳ではない」というお話をしようと思います。
なぜこんな話題を言い出すのか
僕はTRPG界隈の人間なのですが、結構荒れる話題として
- 遅刻って別にいいよね
- ルールブック持っていなくても別にいいよね
という話題があり、これ、ちょっと色々な認識があり、これは別のTRPGブログに載せようと思ったんですが、考える中で優しい人の無意識が問題を大きくしているなという嫌な事実に気がついてしまったのです。
ので、それを書きます。
前提として、「優しいのは良い事」です。一概に。
これを書かないと燃えるので先に書きますが、まず一概に「優しいというのは良い事」です。一概に。ただ、場合によって優しい人の無意識が問題を拡大する場合があるので、ちょっと以下を知った上で考えて欲しいのです。
優しいというのは本来美徳なんですよ。懐が広い、鷹揚であるというのは一言で言って良い点で、美徳だし長所です。ただ、その人が無邪気に「みんなもそう思うべき」と思って行動してしまうと突然美徳ではなくなります。
例えば:遅刻
例えば遅刻についてお話しましょう。
まず、約束は破ってはいけません。当然ですね?守るという前提でするのが約束です。
では、遅刻は「時間の約束を破った」という事ですね?約束してなかったら遅刻じゃないですから。
(例えば事前連絡があったりやむを得ない事情がある場合は許す方が当然良いですよ。ただ、あくまで事情を聞いて「許す」であって、約束が守れなかった事実は事実です)
つまり、「遅刻」は「時間の約束を破った」ので、「良くない」です。ここまではOKですか?
ここで優しい人は「まあまあ目くじらをたてずに」「別に私は怒らないよ」って言うんです。これは素晴らしいんですが、あなたが許したとして、許したって事は問題だったわけです。だから「遅刻は駄目だよ」という事実は動きません。
それをどうするかは個々人で判断すれば良いです。許してもいいし、何回か見逃して激詰めしても良いでしょう。ただ、ポイントは許すかどうかは別として悪いのは遅刻した人です。
ここでややこしくなるんですが、あなたが許したとして、別に怒る人がいた場合どういう判断になるんでしょう?これが逆転して「遅刻ぐらいで怒るなんて器が小さい」という方向で怒った人を責めるのであれば、それはおかしいと指摘します。
もちろん怒り方にも問題があるでしょうし、怒るのではなく理詰めで話をしろという指摘は受け入れるとして、ただ、**「その人が遅刻しなければ起きなかった事」**です。
これ、被害者の態度がどうであれ、加害者は加害者で対処されるべきである、という大前提を有耶無耶にして、「被害者の態度に問題がある」と言うのであれば、まあ控えめに言って事なかれ主義です。
怒らなければ何をしてもいい、怒った相手が悪い、を通すと、次に来るのは誰かがキレるまでのチキンレースが開催されます。
あなたが優しいのは一切構いません。むしろ良い事です。僕だって普段は優しく振る舞います。
ただ、その結果あなたから見たら加害者には入らないかも知れないですが、問題のきっかけを作った相手がのうのうと同じ事を繰り返し、我慢している人が延々我慢しているのであれば、それは本末転倒でしょう?
なぜ我慢という負担を押し付けられている人が輪を乱さないために我慢を繰り返さなければならないのか、それを説明できないのであれば優しいのではなく事なかれです。
例えば負担の要求
また優しい人はついつい色々なお願いを受け入れてしまいます。
しかし、一方的に与える関係を継続するのは人間関係としてふさわしくありません。
ギブアンドテイクなら良いでしょう。少しでもテイクがあるならその分量がお互いが納得しているのであれば口出しする範囲ではありません。
しかし、あなたが与える、を繰り返すと、与えられた人は与えられるのが当然となって、それを他にも求めます。
あなたが全部責任を持って対応できないのであれば無責任に増長させる要因になりえるのです。もちろん全部対応できるならしても構いませんが。
一例はやがて特例になり、特例は通常になる
これは仕事をしていれば普通に気づく部分だと思いますが、「一回だけ」対応した一例は「この前してくれたから」と「特例」になり、「特例」は「時々対応してくれるから」と「通常」になります。
つまり、あなたが優しくするとあなたとその人の間で依存関係が成立します。
それが許せるなら全然構わないんですが、この「一例」→「通常」、「1人やってくれたから君もしてくれ」と「1人」から「グループ」に、更に「全体への要求」に切り替わってきます。
正直、あなたほど優しくない人、あるいは普段優しいけど今だけ厳しい人にとってとても嫌な環境ができあがります。
でも、怒ったら器が狭いと怒られるのであれば、「じゃあ責任取ってあなたが全部回収してくれ」になるのは当然で、でも1対1で24時間監視するのはできないですからあなたが全部回収できないのは当然ですよね?
野良猫に必要なのは餌ですか?家ですか?
これはかなり浸透してきたと思うので例を出すんですが、考えなしに優しいのって野良猫に餌をあげる行為なんですよ。さくら猫として避妊もしないし家で飼う事もしない。
心が温かいのは理解します。痩せている猫を見れば餌をあげたいのが人情です。
家で飼えない事情もおありでしょう。ならばすべきなのは「餌をあげる」の前に「さくら猫活動に寄付する」です。その後で餌をあげてもいいですが、あくまで自己満足である事は理解して下さい。そしてできれば飼い主を探してあげて下さい。
人間に対しても全く同じ事なんですよ。
無分別に優しいのは「人情としてはわかる」んですが、良い結果を産まない場合が多々ある。
特に同じ事を繰り返して改善しない人の場合、「そもそも改善しない人」なのか「あなたがつけあがらせたか」の判断がつきません。その場合、一回叩かないと判断ができませんが、叩いたら責められるわけです。あまりにも不条理過ぎます。
これで叩いて治ったらあなたがつけあがらせたという事ですし、叩いて治らないのであればどこかで必ず線引きが発生します。
そして線引きが発生した時点で「切るなり叩くなりしている」ので、あなたの行動は終始一貫していないんですね。これで線引き無しでグズグズに行くのであれば一生お付き合いしていればいいんじゃないかと思いますが、いつかあなたもまとめて切られますよ。
つまり無分別に優しいのは良くないという点があるのです。
つまり、「優しい」というのは一概にいい事ではあるんですが、優しさを向ける相手と守るべき相手はそれであっていますか?というのを考えて欲しいんですね。
もちろんここまで読んだ上で「それでも全部許す」というのであればそれは生き方なので否定しませんし、人の生き方を変えられるとも思っていないのでこれ以上言わないんですが、「あなたが優しくする事で問題を大きくする事がある」事だけ覚えておいて欲しいです。
誰かがキレた時、「そうなるまでかばい続けてきた責任が自分にもある」と思えるかどうかで、キレた人を見る目が変わると思いますよ。
※ちなみに僕は別に30分程度の遅刻なら気にしないですが、繰り返すようなら同行者の事も考えて「これ以上やると次は君抜きで約束するよ」と伝えます。
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